ザックの背負い方

前回八ケ岳に行った時に、ザックの背負い方が正しくないお客様がいたので、アドバイスさせてもらいましたが、一度だけでは分からないと思いますので、ここで復習を兼ねて書くことにします。

今はザックの種類も多く、多機能な物も出回っていますが、ここではごく一般的なザックについて説明します。

(1)ザックの調節ベルト

ザックを正しく背負うための調節ベルトは、
 ①ウエストベルト
 ②ショルダーベルト(写真上段左)
 ③トップストラップ(写真上段右)
 ④チェストストラップ
の4つで、①~④の順番で調整していきます。

(2)具体的な調整方法

①ショルダーベルトを少し緩めておいて両肩で背負って、まずウエストベルトを左右の腰骨の位置に合わせます(写真下段左)。
最初は、加重は腰60%、両肩で40%くらいのつもりで良いかと思います(ザックは肩だけで背負うのではなく、肩と腰の分散で背負います)。前回は多くの方が、ウエストベルトの位置が腰骨より下の方になっていたと思います。

②次にショルダーベルトを締めます。
その際に、ウエストベルトが持ち上がるほど締めるのではなく(腕や肩の血流が悪くなってしまいます)、 先ほどの腰60%、両肩40%を意識して締めてみて下さい。

トップストラップを締めて、ザックを身体に密着させます(写真下段右)。これにより、身体が後ろに引かれることを防ぎ、肩への負担も減らします。

④最後にチェストストラップを締めて、ザックが左右に揺れないようにします。

(3)その他

①荷物が少ないと、どうしても荷物がザックの下に集まってしまい、上が少なくバランスが悪くなります。その際は、サイドストラップが付いていればそれを締めてザック全体を細く(薄く)すると、荷物がある程度上のほうにも来るようになるので、バランスも良くなります。

②ザックのバランスは、実はパッキングにとても影響されます。ここでは割愛しますが、基本は潰れる物は下、重い物は上で、さらに重い物はできるだけ背中側と覚えてください。

③これだけのことをしても良くならない場合は、残念ながら自分に合っていないザックを購入してしまった可能性が考えられます(例えば背中の長さが合わないなど)。ザックも登山靴と同じようにとても大切な装備ですから、専門店でよく相談して、店で実際に背負ってみるなど、自分でも色々試してから購入することをお勧めします