登山中に置ける熊さん🐻への注意事項

先日、熊に関する研修会に参加してきました。

日本においては北海道にはヒグマ・本州にはツキノワグマが生息していますが今回は富山県立山に住む学芸員の方(白石講師)でツキノワグマに関しての内容でした。

頂いたパンフレット
私も長年山に登っていますので今までに5~6回位は遭遇していると思いますが正直それ程脅威とは感じた事は無く殆どが会ってもフ~ンと言った感じで離れて行き勿論襲われた事も有りません。但し時代の流れと共にアーバンベアー(市街地に出て来る熊)と呼ばれるタイプのクマの出没が話題となり事実、事故も沢山起きているので改めて勉強しよと参加した次第です。

(1)クマの生態について

①通常1~2月位に出産(冬眠中→ズーと寝てる訳ではないし、冬眠しない熊もいる)で多くが2匹生まれるそうです。春になり小熊を連れてフキやブナ若木の新芽・アザミなどを食べて体力の回復に努めるそうです。→この間小熊を連れているのと人も山菜取りの時期なので注意が必要な時期です。

②夏は昆虫類(蟻🐜・ハチ🐝など)や植物類が中心で因みに良く森の熊さんで言われる蜂蜜は有れば食べる程度で蜂の子の方が栄養が有るのでそちらが好みのようですよ(笑)

③秋には冬眠の為、各種の木の実が主食で仮に60㎏のクマさんは85kg位になるまで食べるそうです。

(2)クマの身体的特徴

①鼻は犬🐶の7倍位良いそうで食量のゴミや人の持つ食べ物はかなりの距離からわかるそうです。

②走るスピードは時速40㎞と言われ、もし逃げられる人がいるとすればウサイン・ボルト選手位ではないでしょうか😅→凡人は決して逃げ切れません。

③最大の武器は手の爪で一撃で失血死する危険も有り、最初の攻撃は顔や上半身でもしくは体当たりしてくる事も有るそうです。また歯も木の実を嚙み潰す位の力は有るのでこちらも超危険。

④ツキノワグマの場合体調はおよそ120㎝~145cm(立った時)なので4つ足の場合はかなり低く少し背丈の有る藪に隠れていると殆ど見えない場合が多くこちらの様子を伺っている事が有るそうです。

(3)クマさんに会わない為には?

①まずは人間がいる事を知らせる。本来熊は人との関りを避けるので熊鈴・ホイッスル・ラジオなど自然界で無い音を出す。→正直登山中の大音量のラジオは個人的には???

熊鈴も種類が有り一番左の物は安価で100円ショップでも売っていますが音に透明感が無く遠方までは届かない気がします。(音は止めれない)中央の物は鎖の下の部分には熊さんの顔になっていて可愛いです。顔の部分がネジになっていて消音対応ですがこのネジが緩めで簡単に勝手に消音になってしますので私は顔の部分を使う時はテープで止めています。価格は2,000円位だったかな?今1番使っているのが左のタイプで引っ張る事で音を止めたり鳴るように出来ます。また音が綺麗でお客様曰くかなり遠方まで響くらしいです。

こちらは笛ですが何となく嫌な感じがする時には熊鈴に加え一定の時間毎に2~3回吹くようにしています。私が使っているのは右の黄色い笛で音自体はそれ程大きくは無いようですが周波数なのかこちらもかなり遠い所まで聞こえるそうですよ。

②クマの痕跡に注意を払う(爪痕・糞・採食の痕跡)→クマの活動サインを見逃さない。個人的な経験で言えば獣が風上にいる場合は結構な獣臭を感じる事が有りました。

(4)不幸にして出会ってしまった場合

①落ち着いてクマと視線をそらさずゆっくりと後退する。熊のパーソナルスペース(熊が危険を感じる距離)から出る。絶対に背を向けて走って逃げてはダメ。犬と同様に必ず追いかけて来ます。勿論写真を撮ろうなど論外の行為です。頂いたパンフレット(アラスカの熊対応用)には距離を置きつつ静かに話しかけて見て下さいと書いて有りましたが”う~ん”日本の熊さんは聞いてくれるかな😅

②首ガード・うつ伏せ法を取る

昔熊に会ったら死んだマネをしろと言う都市伝説の様な言い伝えを聞いた事はあります。当時はそんな馬鹿なと思っていましたが今回は多少意味合いは違いましたがある程度は正解のようでした。正確に言うと死んだマネでは無く被害を最小限に済ませると姿勢の事で下記がその態勢です。首ガード・うつ伏せ法と言いうそうです。

説明するこの態勢は致命傷となる首の後ろの頸動脈と顔を守れる。ヘルメットとザックで負傷を軽減できるかも?足を広げているのはひっくり返されるの防ぐ為だそうです。ただこの姿勢だと足は噛まれる可能性は有るそうですが死ぬより😇はマシと痛さはひたすら我慢😂

③熊スプレーの使用

こちらが熊スプレーで今回は初めて購入しました。使用可能距離は10mだそうですが中々そんな近く来るまで我慢出来るかは不安です。(^o^;本来は風下に向かって使用するようですが(自分が浴びない様に)実際の場面ではとてもそんな余裕は無いでしょうね。価格も横の専用ホルダーとセットで16,000円程と決して安くは有りません。また使用期限も4年位(生産時から)で買えば一生持つ物ではないので一般登山者には普及は難しいかもしれませんね。

(5)その他

①熊や猪が市街地近くまで出没するようになった原因は色々有るようです。自然破壊で熊の住処を奪い今度は人口の減少による過疎地化を生み・また新タイプの熊は人を恐れない・温暖化や今度は自然保護による個体数の増加・などなど。人間の身勝手な事が原因の一つかも知れません。上手く共存出来ると良いのですが?

②研修会終了後参加者から幾つか質問が有ったので下記に記載してみます。

※熊鈴で餌を持っていると思い熊が寄って来る事は有るのか?→通常では無いと思うが昔の事例で山菜取りの時に元の場所に戻る為ラジオを鳴らして置いて弁当を一緒に置いていたのでラジオの音イコール弁当と認識した熊がいたそうで現在は禁止としたそうです。

※爆竹は熊に効果が有るのか?→今の狩猟は罠が主体で銃による猟はごく一部火薬の匂いが危険と感じる熊は少ないと思われる。現在音を含むどんな物に反応するか調査中でまだ結果は出ていない。(これ質問者は私)

※小熊を連れた母熊が小熊を守る為襲ってくるのが殆どか?→その確率は高いがそれ以外ににもはぐれ熊(自分の縄張りを若い熊に追い出された高齢の熊などの可能性もある)いわゆるアウェー(敵地→エサなどを求め自分の縄張り以外)に出て来た熊は危険。

纏め

熊さんは基本防衛本能以外で人を襲う事は少なく必要以上に恐れずしかし侮るなかれの行動や心構えが大切。頂いたパンフレットの文面に”熊があなたを避ける機会を与えてあげて下さい”と書かれていました。これが基本かもと私は感じた次第です。

また我々は熊さんの領域にお邪魔して自然を楽しんで居ると言う謙虚な気持ちで登山していると言う事も忘れない様にしたいものです。